「目の筋力」と「脳の認識力」による視力低下

視力の仕組み

人がモノを見る時は、まず眼球を動かして対象物を捉えます。次に水晶体でピントを調節します。その際、明るすぎるたり暗すぎるとモノが見えにくくなるので瞳孔で光の量を調節します。そして最後にその映像情報が脳に送られ、必要な情報を選別したり、場合によっては脳が理解されやすいように情報を付加して最終的に脳で認識されたモノが「見えるモノ」ということになります。

この一連の働きが「視力」と言われるものであり、この視力は大まかに言って3つの要素で構成されていると言えます。

  1. 目の器官・組織
    基本的には「眼球」のことです。この中でも重要なのはピント調節に必要な「水晶体」、光量を調節する「瞳孔」、そして映像を脳に送る「網膜」と「視神経」です。これらの器官・組織に障害があると視力は低下します。そしてその障害の多くは病気によるものです。
  2. 目の器官・組織を動かす筋力
    視力において最も重要と言えるのが「目の筋力」です。これは先に挙げた「目の器官・組織」を実際に機能させる働きを担います。目の器官・組織がいくら正常でも目の筋力に障害があれば視力は低下します。そしてその障害の多くは目の酷使と老化です。
  3. 脳の認識力
    視力を最終的に決定付けるのが脳です。モノを見るという行為は基本的に目的があります。実際に目に映る情報は膨大で、それを全て脳が把握すると情報が膨大すぎて効率的に目的を達成できなくなります。そこで脳は目的を達成しやすいように目に映った情報を加工しているのです。それが脳の認識力です。脳の認識力に障害があると視力は低下します。そしてその障害の多くは病気と老化です。

殆どの場合、視力低下の原因はこの3つの内のどれかに問題があります。

この内1.に問題がある場合は病気ですので、病院に行かなければいくらトレーニングをしても視力は回復しません。こちらに関しては「病気による視力低下」で詳細を紹介していますので興味のある方はご覧ください。

2.と3.は主に「目の筋力」と「脳の認識力」の衰えが視力の低下を招いていると言えます。逆を言うと「目の筋力」と「脳の認識力」を鍛えることで視力の回復が期待できるのです。

この「目の筋力」と「脳の認識力」をもう少し詳しくご説明します。

3つの目の筋力

視力に関係する3つの「目の筋力」について説明しましょう。下の図を見てわかるように、目は高度な精密機器のように分化されています。

視力回復

ピント調節を左右する「毛様体筋」

眼球の大部分を占める硝子体は、無色透明の光の通り道で、網膜を傷つけないようにクッションの役割をしています。そして、同じく無色透明の水晶体は、カメラでいうレンズの役割をしています。

その水晶体の厚みを調整して、遠近のバランスをとるのが「毛様体筋」です。毛様体筋が伸縮することで、焦点を合わせています。毛様体筋が衰えると、遠近のピントが合わず、物がぼやけて見えます。

毛様体筋の衰えは近視や遠視に大きく関わってきます。毛様体筋は基本的に老化で衰えますが、テレビやパソコン、テレビゲームなどによる目の酷使によって急速に衰えることがわかっています。

逆に衰えた毛様体筋を鍛えれば近視や遠視、老眼などの予防・改善が期待できるのです。

※こちらも参照:目が良くなる毛様体筋トレーニング

光量を調節する「虹彩筋」

虹彩筋はカメラの絞りにあたり、瞳孔(ひとみ)の大きさを変えて、日に入る光の量を調整しています。虹彩筋が衰えると、明暗の調節ができ
ず、暗いところで目が慣れるのに時間がかかったり、物が見えづらくなったりします。

虹彩筋が衰える原因は主に老化です。歳をとると目がショボショボしやすくなるのは虹彩筋の衰えが関係しています。

しかし、衰えるということはトレーニングなどによって回復する可能性があるということでもあるのです。

※こちらも参照:目が良くなる虹彩筋トレーニング

眼球を動かす「外眼筋」

下の図のように眼球は上下左右から筋肉で支えられています。

視力回復

各筋肉は上部にある「上斜筋」「上直筋」、下部にある「下斜筋」「下直筋」、両側にある「内直筋」「外直筋」の6つの筋肉で成り立っています。これら6つの筋肉を総称して「外眼筋」と呼びます。眼球のまわりにある6つの外眼筋は目を動かす重要な筋肉です。

外眼筋が衰えると眼球を動かす能力が低下して、文字を読むのが遅くなったり、読み間違いが多くなったりします。また、外眼筋が衰えると眼球にゆがみが生じて、近視や遠視、乱視の症状がでてきます。

外眼筋が衰えるのも主に老化によるものですが、テレビやパソコン、スマートフォンなどを長時間見ることで眼球を動かす機会が減っているのも原因と言われます。

外眼筋は視力に関わる3つの筋肉の内、最も鍛えやすい筋肉ですので視力回復、視力維持のために是非トレーニングすることをお薦めします。

※こちらも参照:目が良くなる外眼筋トレーニング

脳の認識力

人間が感じることのできる感覚は全て脳で処理されていますが、視力も同様です。目に映った情報は脳の大脳皮質内にある視覚野という部分の視知覚皮質中枢という器官で処理されます。場所で言うと頭の後頭部らへんになります。

目から受け取る情報は膨大ですので、脳は必要な情報だけを取捨選択して認識します。

また場合によっては情報を捨てるだけでなく、脳が理解しやすいように目から入ってきた映像に別の情報を付加・加工することもあります。

そのいい例が下の写真です。

dress

これは以前ネットで話題になった写真ですが貴方はこのドレスが何色に見えますか?

人によって「黒と青」と答える人と「金と白」と答える人に大きく分かれました。これは「色の恒常性」と言われるもので、人は「そうであるに違いない」というモノに対して無意識に脳のフィルターを通して映像を補正してしまうのです。

そのフィルターが人によって違う為、同じ写真を見ても違うように見えるのです。ちなみにこのドレスの本当の色は「黒と青」です。

dress2

このように脳は目から得た膨大な情報を常に取捨選択、加工・補正を行う処理をしています。それが視力における「脳の認識力」です。

この脳の処理は大変な労力を伴う働きですので、老化によって脳が衰えてくると当然脳の認識力も衰えてきます。

脳の認識力が衰えると当然視力も低下することになりますが、脳が疲れやすくなったり、記憶力や集中力の低下にもつながります。

逆に脳の認識力を鍛えると視力だけでなく、記憶力・集中力を高める訓練になり、認知症予防に有効と言われています。

※こちらも参照:目が良くなる脳トレーニング

最後まで読んで頂きありがとうございます

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